・タイトル:男やもめも花は咲く(1巻のみ)
・作家名:ゆくえ萌葱
・出版社:日本文芸社
・出版日:2016年9月
あらすじ
四十路になり、離婚。仕事は忙しく、部下は使えない。最近いいことがなく下を向いて生活していた植松が出会ったのは牛丼屋でバイトしてる大学生・旭川。仕事終わりの心がやすらぐ何気ないひととき。親しくなったある日、突然旭川からデートのお誘いをされて…!?
みどころ
皆さんオジサンは好きですか?(突然)
私はBLのオジサンが大好物です。とくに譲れないポイントとして、ちゃんとオジサンである、ということが挙げられます。若者と同じ造形で年齢だけ40代、とかではそそられないのです。ちゃんと、目元の皺とかシャープすぎない輪郭とか、そういった年齢相応のディテールが、物語に深みと納得感と説得力をもたらすのです。
ゆくえ先生のさすがの画力によって描かれた40代、疲れたやもめ男である植松の出で立ちこそが、妻と別れ家の中は散らかり放題、仕事はマネージメントに差し掛かる年齢で意志疎通もままならない若者を一人前に仕事させねばならず、帰っても食事もないので致し方なく残業後に深夜の牛丼チェーンで晩飯を済ますという、この救いのない生活をリアルに演出してくれるのです。
そしてふとしたきっかけに深夜の牛丼屋で会話が始まり、少しずつ距離を縮めていく2人…。ただ疲れる毎日を義務でこなしていた男に、小さな癒しが生まれ、、
とにかくほっこり、安心して純愛を楽しむことのできる日常系BLです。ゆくえ先生の作品のなかでは少し初期の作品となりますが、シンプルな絵柄もまた味わい深いですよ。
安心して読める度 ☆☆☆☆☆
純愛度 ☆☆☆☆
おじさん度 ☆☆☆☆
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